ベストプラクティス

マネージャーを雇うときの心得

Modern Baseball Photo by Jessica Flynn
March 13, 2018

マネジメントの準備はできていますか。アーティストマネージャー兼Lame-O Recordsの創設者であるEric Osman氏と話し合い、マネージャーを選ぶタイミングや選び方についてヒントを集めました。

キャリアを開発しているアーティストであれば、"DIY (do it yourself、自分ですること)" だと仕事に追われて限界が来る日が必ず来ます。フィラデルフィアに拠点を置くマネージャーであるEric Osman氏は、2011年からこの仕事をしています。友人のバンドのグッズ販売やライブ出演の予約取り付けを手伝い始めたことがすべての始まりでした。そのバンドはModern Baseballで、ここ数年でブレイクしたインディーロックミュージシャンの1つです。Osman氏は、レーベルLame-O Recordsの立ち上げに取りかかり、このバンドもそこからデビューしました。Lame-Oには、今ではカタログに50作以上のレコードがあります。その間に、Osman氏はレーベルのアーティストの多くをマネジメントし、流行り廃りが常に入れ替わる音楽ビジネスのかじ取りをサポートしてきました。

マネージャーを雇うことは自分に適しているのか、適している場合、どうやって見つけたらよいのか。若手アーティストがこれらの疑問に答えられるよう、Osman氏と電話で話し、いくつかの秘訣を教えてもらいました。

すること:自分が求めているものを知る

「マネージャー業務をしばらく行っていないアーティストは、マネージャーは魔法の薬をくれて、すべての問題を解決してくれると考えがちです」とOsman氏は言います。そうではありません。マネージャーを雇ったからといって、バンドの音楽が良くなるわけでも、人気が出るわけでもありません。それでも、優れたマネージャーはバンドが特定のニーズに対応できるようにサポートできます。「多くの場合、アーティストは非常に混乱してしまい、ビジネスマネージャーのような人を雇って、会計や財務を担当してもらうことがあります」とOsman氏は続け、1つの例を挙げます。

たとえばマネージャーは、特にニューLPを発表するときには、クリエイティブの面でもサポートできます。この場合、マネージャーは、アーティストが「話す内容、どのようなボーナス特典にしたいか、ツアーを契約する方法など」(Osman氏) を決める際にサポートできます。

すること:他のバンドにおすすめを聞く

マネージャーを雇うことを決めたとします。どこから探し始めますか。Osman氏は自分の周りにいるアーティストから始めることを勧めています。親しい友人から来週末に一緒に演奏するグループまで、あらゆる人が対象になります。「自分よりも大きなライブをしているか、リスナーの幅が広く、自分よりも長く活動している音楽業界の仲間と話しましょう。彼らはどうしたのか、おすすめの人物はいるかなどを確認しましょう」と同氏は言います。

しないこと:お気に入りのバンドのマネージャーにメールする

少なくとも、GoogleやFacebookを検索してその人のメールを見つけただけの場合には、メールしないでください。「たとえばバンドの若手で、『自分たちが何を求めているかはちゃんとわかっている』と思い込んでいるとしましょう。そして意気揚々とFacebookにアクセスして好きなバンドを調べ、そのマネージャーにマネジメントしてほしいとメッセージを送ります。上手くいく可能性は非常に低いでしょう」と同氏は話します。この方法でうまくいくケースはめったにありません。

すること:一緒にいて落ち着く人を探す

「規模がとても小さく、これまでマネージャーを雇ったことがないアーティストがマネージャーを探しているなら、金銭面でアーティストマネージャーを喜ばせることはあまりできないでしょう」とOsman氏は言います。つまり、双方にとってアーティストとマネージャーの関係が特に重要だということです。「アーティストは、良い関係を築き、話し合うことができ、アーティストがやろうとしていることを理解してくれる人物を探すとよいでしょう」

すること:マネージャーの他のクライアントに聞いてみる

候補者に心当たりがある場合は、その候補者がマネジメントしている他のアーティストを調べてみましょう。ぴったりだと思うなら、いずれかのアーティストに連絡して、もう少しその候補者について理解してみましょう。「そのマネジメント会社と契約している別のアーティストに手紙を書き、『このマネージャーと契約しようと思っているのですが、この方のマネジメントのやり方や、皆さんの感想について聞かせてもらえませんか』と聞いてみるのもよいと思います」と同氏は話します。

すること:妥協できる点とできない点を決める

マネージャーはアーティストに提案をします。マネージャーの意見を聞いても構わない場合と自分の意見を固持したい場合を理解し、最初からこれを明確にします。「アーティストはアーティストであり、マネージャーはアーティストのために働いていることを忘れないようにすることが重要だと思います。そして常にそうあるべきです。ビジョンを決めるのはあなたです。マネージャーはアーティストではありません」と同氏は話します。

しないこと:DIYに戻ることをためらう

「バンドやプロジェクトの仕事をするときと同じくらい熱心にマネージャー探しに取り組んだら、おそらく何らかの結果が出るでしょう」とOsman氏は言います。とはいえ、この作業に時間を費やしたくない場合もあるでしょう。それでも、心配はいりません。「ぜひ皆さんに知ってもらいたい点ですが、2018年の今は、アーティストが自分でマネジメントするのに役立つツールがいろいろ出ているんです。今までよりも操作が簡単になっています」このため、インディーレーベルに働き掛けたり、Osman氏のように自分でレコードを制作したりすることができるかもしれません。「最も大切なのは、自分にとってうまくいく方法を見つけることに尽きます」と同氏は話します。

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Eric Osman氏によるセルフマネジメントの秘訣

#1. Cash Musicを使う

Eric:「Cash Musicは、現代のインディーアーティストにとって非常に助かるツールで、メーリングリスト、デジタルダウンロード、ツアー日程の掲載などを合理化するツールを提供する非営利団体です」

#2. 「The Future of What」から知識を得る

Eric:「Kill Rock StarsのPortia Sabin氏が配信している「The Future of What」というポッドキャストでは、すべての仕事をDIYで、つまり自分でやろうとしている (またはやらざるを得ない) 人向けに情報が発信されています。ここでは、豊富な知識やノウハウを提供してくれるプロのマネージャー、エージェント、アーティストなどの数多くのプロフェッショナルを招いて、音楽業界の動向についての研究、説明、掘り下げを行っています」

#3. ローカルコミュニティに参加する

Eric:「最も重要なことは、自分が一員であるコミュニティならどこでも参加することです。そのコミュニティの他のアーティストと知り合い、自分が目指している目標をそのアーティストはどのように達成したのか教えてもらいましょう。ツアー中のアーティストが自分の町に来るときにそのアーティストのライブ出演の予約を取り付け、かわりに頼み事をしてみることもできます。他のクリエイティブアーティストと本物の関係を築き、つながりを楽しみましょう」

-Nick Murray

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