音楽用語が記載されたガイドです。
あなたが新人でもベテランでも、音楽業界には独自の用語があることをご存じでしょう。専門用語を知ることは、情報に基づいてキャリア上の決定を行ううえで重要な出発点と言えます。そこで、この記事では知識を深めたり、記憶を新たにしたりするのに役立つミニ辞典として、音楽用語をまとめました。さらに、定義の多くにはリンクが記載されており、詳細情報、関連する話題を取り上げた専門家のインタビューのほか、再生、レコーディング、配信といった特定の音楽分野に関するサブ用語集を確認できるようになっています。
360ディール ：レコードレーベルとアーティストが結ぶ契約です。レコード会社は、レコーディングされた音楽やライブの収益だけでなく、アーティストが生み出すその他の収益の一部を受け取ります。360と呼ばれるのは、全方向の、つまりレコードやシングルに加えてグッズ、ツアー、音楽出版、ブランドとの契約といったあらゆる収益源が関連しているからです。
A＆R ：Artists and Repertoire (アーティストとレパートリー) の略称で、レコードレーベルや音楽出版社にある部門を指します。この部門は、新しい才能を発掘し、会社との契約を成立させる役割を担っています。また、A＆Rは契約しているアーティストのキャリア育成にも携わります。 詳しくは 、「 How Emerging Artists Can Stand Out with A&R Reps 」をご覧ください
アーティストマネージャー ：アーティストまたはバンドのキャリア育成に携わり、最大限の成功を収められるようサポートする重要な役割です。マネージャーは、アーティストの仕事上の決定を導き、ビジネス取引においては代理人およびアドバイザーを務めます。 詳しくは、「What You Should Look for in a Manager 」をご覧ください
アドバンス ：レコードレーベルや出版社が、契約時に、または特にレコーディングプロセスの費用を賄うためアーティストに行う前払いのことです。通常、アドバンスは回収が可能です。アーティストは自分の音楽によって元の前払い金をカバーするのに十分な収入を得るまでは、レーベルや出版社からそれ以上の支払いを受けることはないからです。
ビッグスリー ：音楽業界の3大レコード会社である、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサルミュージック・グループ、ワーナーミュージック・グループを指します。
ブランケットライセンス ：通常、演奏権管理団体 (PRO) によって発行されるライセンスのことで、権利所有者のカタログにある楽曲を一定期間にわたり演奏する許可をエンティティに付与します。ブランケットライセンスを使用する会社には、テレビ局、ラジオ局、レストラン、ソーシャルネットワーク、ストリーミングサービスなどがあります。
デジタル音楽配信事業者 (DSP) ：ストリーミングプラットフォーム (Spotifyを含む) または、消費者にデジタルオーディオを配信するオンラインストアを指します。
EP ：EPは「extended play」の略で、「ミニアルバム」のことです。通常のフルアルバムよりも大幅に短い内容になっており、典型的なEPでは3～6曲が収録されています。
EPK ：「electronic press kit (電子プレスキット)」の略称。EPKは、アーティストやその広報担当者がジャーナリスト、ラジオのDJ、レコードレーベル、ブッキングエージェントなどに送る電子的な宣伝用アセットのパッケージで、アーティストの経歴や最新作品の概要を紹介するものです。このアセットには通常、バイオグラフィー、宣材写真、最近のシングルやビデオ、ソーシャルメディアのリンク、アーティストの再生、売上、ラジオに関する重要な統計データが含まれます (「ワンシート」の項目もご覧ください)。
LP ：「long playing」の略称。LPは本来12インチの蓄音機レコードのことでした。現在では、おおよそ40分かそれ以上の長さのフルレングスアルバムを指します。
グッズ ：グッズは、コンサート会場やオンラインでファン向けに販売される、アーティストの写真やロゴといった独自のデザインを特徴とする商品です。ほとんどのものがグッズになり得ますが、よくあるアイテムとしては、衣類、ポスター、ステッカー、バッジのほか、音楽が物理的に録音されたレコード盤、カセット、CDなどがあります。 詳しくは、「Fan Study, Merch Edition」をご覧ください
メタバース ：3次元空間のように表示される仮想世界で、ユーザーはそこでデジタルアバターとして互いに交流することや、その環境を楽しむことができます。ユーザーがSpotify Islandを楽しめる、Robloxがその一例です。
NFT ：「Non-fungible token (非代替性トークン)」の略称。NFTは、唯一性を持つデジタル収集品で、所有権をブロックチェーンによって追跡することができます。音楽NFTには、ユニークエディションや限定エディションに加え、限定のレコーディングやアートワークを含めることができます。
ワンシート ：アーティストの新しい音楽や、バイオ、統計データ、成果の概要について重要な点を1ページにまとめたドキュメントです。このドキュメントは、メディアやプロモーターなど、何らかの方法でアーティストのキャリア促進に関わる可能性のある人物 (ギグへの参加、インタビュー、音楽の演奏を依頼するなど) に渡されます。
演奏権管理団体 (PRO) ：ソングライターやその他の権利者が、所有する音楽作品が公に放送または演奏されるときに発生するパフォーマンスロイヤリティ収入を確実に受け取れるようにする団体です。PROは、音楽作品のライセンスも発行しています。米国では、PROにASCAP、BMI、SESAC、GMRが含まれます。米国以外では、同様の役割を果たす団体は演奏権保護協会として知られています。 詳しくは、ASCAP Q&A、BMI Q&Aをご覧ください
Per Diem ：ラテン語で「1日あたり」を意味し、アーティストに支払われる日当を指します。通常はツアー中に食事などの基本的なニーズを賄うために支払われます。
楽曲識別子 ：すべての音楽作品にある不可欠なメタデータの一部を構成する5つのキーコードを指します。IPIはソングライターまたは作曲家、ISWCは音楽作品、ISRCは特定のレコーディング、IPNは演奏者をそれぞれ識別します。ISNIは、これら4つのコードをリンクさせます。 詳しくは、「How to Fine-Tune Your Song Metadata to get Paid」をご覧ください
スプリットシート ：作曲の過程で誰が何を担当したか、また各当事者が何パーセントのロイヤリティを受け取る権利があるかを明確にするドキュメント。
