SpotifyのCampaign Kitに含まれるさまざまなツールの使い方をご紹介します。音楽に特化したこのキットを活用して、リスナーが楽曲をストリーミングしているプラットフォームで、あなたの音楽を多くの人に届け、ずっと応援してくれるリスナーを増やしましょう。
多くのアーティストとチームは、音楽活動の成功とは、新規リスナーを見つけて生涯のファンに育てることだと語ります。
SNS、看板、屋外広告などを使用すれば、リスナーに広くリーチできます。しかし、これらの宣伝ツールは音楽に特化したものではないため、リスナーが音楽を聴いているプラットフォームで広告を流すことはできません。また、こうした広告はコストがかさむほか、適切なリスナーにターゲットを絞り、注目を集めるにはアプローチしにくいという難点があります。しかも、これらのツールが効果を発揮し、ストリーミングを促しているかどうかは、憶測で判断するしかありません。
そこでSpotifyは、音楽専用の効果的なキャンペーンツールの構築に投資してきました。たとえば、プレイリストのピッチング、Discovery Mode、Marqueeや、最新の広告ツールShowcaseなどです。どれも、ぴったりのリスナーにリーチし、音楽を再生しているリスナーのエンゲージメントを高めるために設計されています。さらに、リスナーのストリーミングやエンゲージメントへの効果を測定することもできるのです。
Spotifyは、これらのツールを集めて1つのCampaign Kitにしました。すべての機能をキットにまとめることで、さまざまなキャリアの段階やリリースサイクルにいるアーティストが、リスナーを最も効果的に増やせるようになったのです。
Campaign Kitとは
世界最大の音楽プラットフォームであるSpotifyは、ずっと応援してくれるリスナーをアーティストが獲得するためのユニークな手段を提供しています。Campaign Kitのツールは、あなたの音楽をもっと多くの人に届けるお手伝いをします。Spotifyプログラムのリスナーに聴いてもらうことも、次にストリーミングする音楽をアクティブに選んでいるユーザーにリーチすることもできるのです。
では、それぞれのツールについて簡単にご紹介します。
プレイリストのピッチング で、「Rap Caviar」「Today's Top Hits」「Fresh Finds」などのプレイリストの選曲を担当するエディターに新曲を手軽にシェアしましょう。すべてのアーティストは、今後リリース予定の音楽を、プレイリストの候補としてSpotifyのエディターに無料で送信できます。
Discovery Mode を活用すれば、パーソナライズされたプレイリストであなたの楽曲をもっと多くのリスナーに届けられます。しかも、前払いのコストはかかりません。優先する楽曲を選択すると、そのシグナルに基づいて、楽曲を気に入る可能性が高い新規リスナーにリーチできます。
Marquee で、ユーザーがアプリを開いた瞬間に、ニューリリースに関するレコメンド広告を全画面で表示し、リスナーの注意を引きつけましょう。リスナーは、Marqueeをクリックして、ニューリリースを保存するか、あなたの音楽だけが表示されたニューリリースの画面を直接表示できます。
Showcase は最新のレコメンド広告で、ぴったりのリスナーにいつでもリーチできます。Spotifyでは、無数のリスナーが、再生する音楽を選ぶためにホーム画面をチェックしています。その画面の上部にモバイルバナーを表示して、あなたの音楽を宣伝しましょう。ニューリリースはもちろんカタログの音楽もアピールできるため、楽曲が話題を集めているときや、ツアーの注目度を高めたいとき、アルバムの記念日が近づいているときなど、さまざまな場面で活用できます。
Campaign Kitであなたの音楽を響かせよう
Campaign Kitのツールは、目標の達成に向けて組み合わせて使用するように設計されています。Campaign KitとSpotify for Artistsのほかのツールを併用してリスナーを増やしたアーティストとチームの例をご覧ください。
R&Bのインディーズアーティストであるthuyとそのチームは、複数のリリースでCampaign Kitを活用して、月間アクティブリスナー数を300%以上も増やしました。チームはまずDiscovery Modeを利用して、デビューEPに向けてリスナーを増やすことから始めました。そしてその勢いを活かして、リリース公開後のMarqueeでライトリスナーとモデレートリスナーをターゲティングし、リスナーが熱心なファンに育つよう働きかけたのです。
Venice Musicのストリーミング部長グローバル責任者で、thuyのチームのメンバーでもあるIsobel Kellyは、「Discovery Modeが始まると、セーブ率、リスナー数、プレイリストへの追加数が目に見えて急増しました」と言います。「ファンになる可能性の高い、幅広い層のリスナーとつながりを深めることができたんです」
キャンペーンによって、thuyは178ヶ国のリスナーにリーチできました。しかも、thuyの音楽を保存したリスナー数は230,000人、ユーザーのプレイリストへの追加数は210,000にも上ったのです。詳細はこちらをご覧ください。
マイアミのMagic City Hippiesは、Campaign Kitを活用して、2022年にリリースされた2枚目のアルバム「Water Your Garden」に向けてリスナーの期待を高めていきました。アルバムに先駆けてリリースされたシングルをMarqueeで宣伝してから、それらの楽曲にDiscovery Modeを適用したのです。ほかにも多くのアーティストが、この戦略を用いています。
その効果は明らかで、Marqueeを見たリスナーはプレリリースシングルを4倍の確率でストリーミングしました。詳細はこちらをご覧ください。
ナッシュビルを拠点とするフォークトロニカアーティストのConner Youngbloodは、自身の楽曲「Pizza Body」をエディトリアルプレイリストの候補として送信しました。そして、この楽曲がプレイリスト「Mellow Morning」に追加されると、Spotifyでの月間リスナー数とフォロワー数が急増したのです。それだけではありません。世界中で、彼のライブに足を運ぶリスナーが大幅に増加しました。「How They Made It」シリーズで、Conner、ブルックリンのヒップホップアーティストWiki、シカゴでラッパーとして活躍するドリージーの例をチェックしましょう。彼らが自分の音楽をプレイリストの候補としてピッチングしたことで、キャリアにどんな影響をもたらしたのかご覧ください。
Goth Babeのチームは、たくさんのニューリリースやカタログの楽曲でCampaign Kitを活用しました。昨年は、MarqueeとDiscovery Modeを組み合わせて、4作のニューリリースを盛り上げることに成功しています。カタログの楽曲にDiscovery Modeを適用してオーディエンスを増やし、Marqueeでリスナーにニューリリースを宣伝したのです。
Goth Babeが2019年にリリースしたシングル「Weekend Friend」は、2022年にDiscovery Modeが適用されたカタログの楽曲の一例です。このシングルでは、Discovery Modeがもたらした再生数が、リリースした週のピークの再生数を上回ったのです。この勢いを保つため、チームは「Weekend Friend」をShowcaseでも宣伝しました。以前のアクティブオーディエンスにターゲットを絞り、離脱したリスナーが戻ってきてくれるよう働きかけたのです。
Campaign Kitの新機能
Spotifyでは、アーティストが最も効果的にリスナーにリーチし、生涯のファンを育成できるよう、Campaign Kitを構築しています。今後数週間のうちに展開されるエキサイティングな新機能で、より多くのアーティストが、音楽を聴いている潜在ファンに適切なタイミングでリーチを広げられるようになります。
- MarqueeとShowcaseに新しいクリエイティブオプションを導入: アーティストやチームからの「レコメンド広告のカスタマイズ方法を増やしてほしい」という声を受けて、来年、新しいクリエイティブオプションが登場します。たとえば、チームはリリースのアートワークに合わせてMarqueeの背景色を選べるようになります。Showcaseについては、アーティストが選べるヘッドラインがまもなく4つ追加され (「プレイリストからのおすすめ」や「新しい曲を聴いてみよう」など)、リスナーのエンゲージメント意欲をさらに高められるようになります。
- Mixでリスナーとつながる: Spotify MixはSpotify Radioと似ています。どちらもパーソナライズド・アルゴリズムプレイリストで、新しい音楽を探しているリスナーが特定のインプットに基づいて選択できます。しかし、似ている機能同士であるにもかかわらず、これまでMixではDiscovery Modeを利用できませんでした。2024年1月3日からは、Discovery Modeが「Daily Mix」で利用できるようになり、その後、アーティストや年代別、ムード別、ジャンル別のMixにも適用が拡大されます (Spotify Mixは特徴的なカバーデザインで識別できます)。この変更により、Discovery Modeを利用するアーティストとレーベルは、リスナーが新しい音楽を最も積極的に探しているタイミングで、より多くの方法でリスナーとつながれるようになります。たとえば、ディスコグラフィーが豊富なアーティストは「80s Mix」、EDMアーティストは「Dance/Electronic Mix」でリスナーにリーチできるほか、「Happy Mix」に ぴったり な楽曲を選んで宣伝することもできるのです。
- より多くの国のアーティストがMarqueeとShowcaseを利用可能に: Spotifyでは今年、Marqueeの対象国を英国、カナダ、オーストラリアに拡大し、Showcaseを米国の対象アーティストチームに展開しました。来年の初めには、Showcaseの提供をMarqueeがすでに展開されているマーケットに拡大するほか、両ツールをフランスのアーティストチームにも提供する予定です。キャンペーンツールのグローバル展開について、2024年の続報にご期待ください。
Campaign Kitのツールをさっそく使ってみよう
プレイリストのピッチング機能は、すべてのアーティストが利用できます。Discovery Mode、Marquee、Showcaseは、今後もっと多くのアーティストに提供される予定です。すでにこれらのツールの対象となっているアーティストとチームは、デスクトップ版のSpotify for Artistsの [キャンペーン] タブから、キャンペーンの作成を開始できます。(それぞれのツールの利用資格について詳しくはこちら:Discovery Mode、MarqueeとShowcase)。
新しいCampaign Kitのウェブサイトでは、アーティストとチームがSpotifyのツールをどのように活用できるのかについて、詳しくチェックできます。それらの情報を基に、ニューリリースでリスナーを増やしたり、カタログをリスナーにもう一度アピールしたり、リリースの記念日をお祝いしたり、世界中で新規リスナーを見つけたりと、さまざまな目標を達成しましょう。今後数ヶ月間にわたって展開されるウェビナーやインサイト、教材もどうぞお見逃しなく。
また、最新情報をキャッチできるよう、2024年1月24日に開催されるCampaign Kitのマスタークラスにぜひご参加ください。このクラスでは、Campaign Kitのツールを最大限に活用する方法や、mtheoryとVenice Musicのマーケターが、キットのツールを組み合わせてアーティストをどのように宣伝したかについての詳細がシェアされます。